音楽ときどき腕時計

ライブ鑑賞や腕時計の紹介です。

ライブドキュメントの作成手順

はじめに

音楽を演っていると自分や友人のライブを録音する機会が結構あります。本記事はそんな時にどうするか、の備忘メモです。

※録音が禁止された会場での録音行為をお勧めするものではありません。

録音

録音機材

ICレコーダーを使用しています。メインとサブの2機種です。機材トラブルに備えるのと、録音レベルを変えて可能な限り音割れのない録音を行うためです。サブ機は録音レベルを低く抑えめに設定しています。

メイン機

SONY PCM-A10 + 内蔵マイク

ハイレゾ対応リニアPCMレコーダーです。

サブ機

SANYO ICR-PS004M+外付けマイク(Panasonic RP-VC200)

ICR-PS004Mは発売当時(2009年)、世界最小のSDカード対応リニアPCMレコーダーでした。RP-VC200はワンポイントステレオマイクです。


メモ機

本当のメモ用途ですがiPhoneのボイスメモも起動しています。iPhoneXSを使用しています。このボイスメモはリミッターが効くので大音量でも派手な音割れ無しに記録できます。

機材の収納方法

PCM-A10は主にバッグに入れ、マイクあたりをバックのファスナーから顔を出させるイメージです。マイクには黒い風防をかぶせるので傍から見ても、それが何かはわかりません。

ICR-PS004Mはジャケットの内ポケットに収め、マイクは前合わせに装着します。ケーブルはジャケットの内側です。

録音の開始

大体、開演1時間前には会場周辺に到着していますので、喫茶店などで機材の再確認と録音の開始を行います。

PCM-A10、ICR-PS004M共に記録容量は16GBあり、PCM16bit44.1KHzで21時間の録音が可能ですので、開演1時間前から録音しっぱなしにしてしまいます。

こうしておけば、楽屋での打ち合わせ中の会話なども自然な感じで録音できる利点があります。

編集

編集ソフトウェアとしてSoundEngineを使用しています。非常に多機能なソフトウェアでまだまだ使いこなせていませんが、このようなソフトを提供していただいている方々に感謝です。

前後のカット

前後の不要な部分をカットします。SoundEngineでは、範囲選択してカットする方法とマーク付けしてファイルを分割する方法があります。私は前者の範囲選択してカットを行い、いったんべつめいほぞんします、その際にはファイル名の先頭に"Trim_"を付加して、前後カットしたファイルであることがわかるようにしています。このようにファイル操作を行ったタイミングで別名保存をおこなっていくことで、編集に失敗した場合でも後戻りができるように工夫しています。

音量の調節

音割れを嫌って、録音レベルを下げると小さな音の録音になってしまいます。これを聞きやすい音量に調整する作業です。

私はオートマキシマイズ機能を使ってボリュームの変更を行っています。

オートマキシマイズ機能は音量をdBで指定するのでわかりにくいのですが、プリセットが何種類か準備されているので、適当なものを選んで試してみます。最終的な音量の決定は波形の範囲と実際に聞いてみた感じで決定します。

波形としては、上記のような波形を目標に音量調節します。0dBを超えたら即音割れというわけではないので、もっと上げることは可能ですが、あまり攻め過ぎないように調整しています。

また、波形だけではなく、右端にあるレベルメータの白線(聴感)の動きにも着目します。

この白線が12~16のあたりで踊る感じに調整します。

音量の調整が済んだら、ここでも別名保存を行います。この時ファイル名の先頭に"VOL_"を付加します。この時点でファイル名は、"VOL_Trim_元のファイル名.WAV"のような名前になっています。

音質の調整

ライブ録音は音がこもりがちです、これはPAなどのスピーカーとマイクが正対していない、距離が遠いなどで指向性の強い高音域の記録が不十分になるため(と想像)です。

また、会場内を反響する低音域が回り込んできて高音と低音のバランスが崩れているのだと思います(と想像)。

音質の調整は、1ポイントイコライザーで高域や低域の強調を行います。

低域を抑えたい場合は、プリセットのベース強調を選択後、レベルをマイナス方向に調整します。周波数を変更することで変化させたい音域を変えられますが、どの周波数をいじるか?は難しいところです。

音質に関しては低音、高音をいじる程度です。音質修正後はファイル名の先頭に"EQ_"7を付けて別名保存します。

"EQ_VOL_Trim_元のファイル名.WAV"といったところでしょうか。

曲の分割

分割位置にマークを付ける

曲の分割は簡単です。SoundEngineで再生させ、曲の先頭となる部分を探します。このあたりの操作は、SoundEngineをいじってみればわかってきます。曲の先頭が見つかったら(この時再生は停止状態)、時間ゲージの上でマウスを右クリックし、「再生位置にマークを追加」を選択します。

すると、その時間ゲージに▼マークがつきます。

▼マークがついたら、マウスでその▼を右クリックし「マークのゼロクロス」を選択します。後はこれの繰り返しです。

ゼロクロスを行うと、曲分割時に「ぷつっ」という音が入らなくなります。

分割の実行

全ての分割位置にマークがつかられると以下のようになります。

タイムゲージの上で右クリックし、「マークで分割保存」を選択します。

ファイル名欄に「NewFile.wav」と表示されています。このまま実行すると、NewFile_nnという形でnnの番号付けされ、マークされた位置でファイルが分割生成されます。